漢検1級ブログ ボクちゃん日記PART2(漢検一級編)
漢検準1級と1級を目指す人を応援するブログ
3月〇日
【辞典P659】 綽名(あだな) ニックネーム
「渾名」「諢名」とも書く。
『ボクちゃん日記』のPART1は、『BE-IN』という雑誌の創刊
号から9号までを纏めた単行本だ。もう20年も前のことで、今更
「2」もなかろう、とも思うのだが、この名には、特別の思い入れが
あるもので。
読者の方から、ボクちゃんについて尋ねられたことがあって、そ
れにお答えした文章がこの中にあったので再録させていただく。
「この少年は、昔の僕ではなくて、子供時代近所にいた、ボク
ちゃんというあだ名の友だちがモデルなのです。ずっとボクちゃ
んボクちゃんと呼んできたので、今もって本名が思い出せないの
です。ボクちゃんは、なぜだかいつも顔をくしゃくしゃにして笑って
いた、という記憶があります。なんだかわからないけれどいつも笑
っている。笑っているから、なんだかいつも楽しそうで、見ている
こちらもなんだか心がなごんでくる。だから、本名なんかは忘れ
てしまっても、あの笑顔だけは、ようく覚えているのです。ボクちゃ
んは、いわばBE-INのマスコットでありまして、なんだかわから
ないけれど時々顔を出す、という、そんな存在のひとです」
『BE-IN』は著者へのインタビュー誌で、チビのわりには読者
からの手紙も多かった。
「これはいったい何の本なんだ!?といういみなさんへ・・基本
的には、本の紹介と著者インタビュー誌です。これはおもしろい
ぜひ紹介しろ、という本を編集部までお知らせください。こちらが
うんほんとだ、となったら紹介します。そして著者へのインタビュ
ーを敢行します。ここんところが従来の雑誌と違う点です。BE-
INは、読者のスルドイ目、を信じます。うもれた、無名ではあるが
すぐれた読書人はこの広い世界、必ずいるものです」
敬称は略させていただくが、
佐山 聡
楳図かずお
松本零士
水木しげる
鴻上尚史
鷺沢 萌
アグネス・チャン
小林まこと
椎名 誠
中島らも
夢枕 獏
鈴木淑子
岡本太郎
吉田日出子
サエキけんぞう
平野啓子
池澤夏樹
広瀬 隆
伊藤正孝
三浦清宏
泉谷しげる
樋口健二
小倉 洋
沢木耕太郎
吉本ばなな
保坂 展人
長倉洋海
黒井千次
森田芳光
ビートたけし
谷山浩子
大石芳野
身の程知らずの依頼に貴重な時間を割いて頂いた方々に改
めて、感謝の思いでいっぱいだ。もう一度その思いを伝えたくて
も叶わぬ人もおられる。
ご多聞にもれず、雑誌は休刊を余儀なくされた。その経過は、
PART1の最後の章に記した。長いが、今日は自分の心を納得
させるためにここに転記する。
「この雑誌が、号ごとに成長することが出来たのは、まったく執
筆スタッフの力量によったのである。
力を寄せてくれた人間たちは、皆、プロのライターであった。自
分の仕事の合間をぬって作家にコンタクトをとり、取材し、テー
プをおこし、或は、書評をまとめ、といった作業を報酬もないまま
黙々とこなしてくれたのだ。そればかりではない。書店のリストの
作成、見本誌の郵送など、細かな事務手続きにまで手を貸して
くれたのである。8号が立花 隆さんのコラムで紹介されたのも、
そんな地道な作業の結果だった。9号では待望のたけしさんの
インタビューも実現した。
で、その先は?
・・・その先のことを書かねばならない。
現在、BE-INは発刊を停止しているのである。いちばんの理
由は、経済的な行き詰まりである。10号目の準備にかかった89
年夏の決済で、借財が一千万を越えた。親兄弟、はては街の
金融業者に至るまで借りるだけ借りもちこたえようとしたが、限界
だった。みかねた弟が私のもとへやってきた。バッグの中から現
金の束を出して言った。いいか、兄貴、これで残った印刷代を
はらっちまうんだ。ここも引き払う。
家族も限界だったのである。そんなこともわからぬほど、当時の
私は心身共に疲弊しきっていた。
田舎に戻って二ヶ月後、ある印刷所で働くことになった。輪転
の現場である。殊に夜勤は金になった。金にはなったが、身体
にはこたえた。私が今、この病室にいるのは、そういう理由なの
である。・・
それでも、心の方は随分落ち着いた。稼いだほとんどを返済に
充てていたので現在では借入額も三分の二ほどに減っている。
身体がよくなって、もう少し頑張れば、三年後には全部返せる。
それから、自分のし残した事柄について考えよう。私には、会
って、わびなければならない人がたくさんいる」(へるにあ闘病
記)。
私は逃げたのだ。あらゆる責任から。そして私はまだその責任
を果たしていない。借財に対しては果たしたが、わびるべき人
に果たしていない。けれども、長いこと出版の世界から離れてい
た自分の存在を伝える術はあるのだろうか。ここにいる、というこ
とを伝える術はあるのだろうか。
「ブログ」というものの存在を知ったのは、ごく最近のことで、漢
字をもう一度勉強してみようと心に決めた時期と重なる。自分な
りに発信を続けていれば、何らかの形で彼らに思いを伝えられる
チャンスもあるかもしれない、そう考えた。「PART2」に託けて
この日記を立ち上げたのはそういう理由による。
「いったんダメになった人間が、ハラの底から改心し、やり直そ
うとしている時、私は手を貸す者でありたい」
昨年のブログに私はこう書いたことがあるが、思えば、ほかなら
ぬ、ダメ人間、自分に対してのエールだったのかもしれない。
とりとめのない文章になってしまった。夜更けに酒、一番よくな
い状況だけれど、こやつのチカラを借りたことで、心に溜まった
ものの幾分かは吐き出せた気もする。もうしわけない。明日から
は、ちゃんとした文章を書きます。
3月〇日
【辞典P659】 釈奠(せきてん・しゃくてん・さくてん) 孔子とそ
の門人を奠(まつ)る儀式
3月〇日
【辞典P659】 釈眼儒心(しゃくがんじゅしん) 慈悲と仁愛の
心を合わせ持つこと
3月〇日
【辞典P658】 借問(しゃもん) チョット訊いてみること
3月〇日
【辞典P658】 斫水(しゃくすい) 不可能なこと
刀で水を斫(き)るところから。よく出る。
3月〇日
【辞典P657】 芍薬(しゃくやく) キンポウゲ科の多年草
3月〇日
【辞典P657】 媒妁人(ばいしゃくにん) 妁(なこうど)
3月〇日
【辞典P657】 尺蠖の屈するは以て信(の)びんことを求むる
なり 成功したいなら、耐えて耐えて耐えぬいてみろ、ということ
それでもヘコタレルことはある。
そんな時の私にとってのビバーク先は、風呂だ。殊に隣りまち
にある温泉施設の「アワ風呂」がいい。ぬるめのお湯で長く入れ
るうえに、下から湧いてくるタンサンが心地よい。
誰にも、ひとつは、嵐からの隠れ場所が必要なのだ。
3月〇日
【辞典P657】 尺璧非宝(せきへきひほう) なんたって時間が
大事、ということ
「尺璧宝(たから)に非ず、寸陰是(これ)競う」の前半。
3月〇日
【辞典P657】 枉尺直尋(おうせきちょくじん・おうしゃくちょくじ
ん) 大の為に小を犠牲にするたとえ
「尺(しゃく)を枉(ま)げて尋を直(なお)くす」とも読む。
・・「枉尋直尺」というのもあるようだ。『漢字の正しい書き順』に
よると。このブログ、ほんとにスゴイよ。どんなお方がつくられてお
るのじゃろう。一人でつくれるものなのだろうか?
3月〇日
【辞典P657】 尺一(せきいつ) 一尺一寸の板に書かれた天
子の詔勅
【辞典P657】 尺地(せきち・しゃくち) 尺(わず)かな土地
【辞典P657】 尺牘(せきとく・しゃくどく) ①文書 ②手紙
「しゃくどく」と出されても慌てることなし。
3月〇日
【辞典P657】 尺蠖(おぎむし) 尺取虫
【辞典P657】 尺蠖(しゃっかく・せきかく・せっかく) 尺取虫
3月〇日
【辞典P656】 麝煤(じゃばい) 墨の別称
3月〇日
【辞典P656】 麝(じゃこうじか) 麝香鹿に同じ
「鹿」のなかまをいくつか。
◇麈(おおじか)
◇麋(おおじか・なれしか・まゆ)
◇麌(おじか)
◇麕(くじか・のろ)
◇麑(かのこ))
「鹿×3」は、「くろごめ」のこと。「あらあら(しい)」で御馴染。
3月〇日
【辞典P656】 蛇《草冠+孤》(つちとりもち) ツチトリモチ科
【辞典P656】 蛇牀(はまぜり) ハマゼリ科、ウソ、セリ科
3月〇日
【辞典P656】 蛇蝎・蛇蠍(だかつ) ①蛇と蠍(さそり) ②人
が恐れ嫌うもの
【辞典P656】 蛇豕(だし) ①蛇と豕(ぶた・いのこ) ②欲深
で人を害するもののたとえ
【辞典P656】 蛇蛇(いい) 浅薄で驕り高ぶったさま
【辞典P656】 委蛇(いい・いだ) ①ゆったりして落ち着いたさ
ま ②曲がりくねったさま ③従順なさま ④神話に登場する蛇
⑤泥鰌(どじょう)
【辞典P656】 異蛇(いだ) 珍しい蛇
「い」っつう読みがなんだかね。
さて「後集」から問題です。次の( )に適当な漢字を入れよ。
◎鳥語チュウセイ( )も、総て是れ伝心の訣なり。カエイ(
)草色も、ケンドウ( )の文に非ざるは無し。学ぶ者は、天機
清徹、胸次レイロウ( )にして、物に触れて、皆、心に会する
処(ところ)有るを要す。
◇チュウセイ(虫声)
◇カエイ(花英)
◇ケンドウ(見道)
◇レイロウ(玲瓏)
「見道」が難解じゃね。「真理を徹見すること」。禅の「見性(け
んしょう)」にあたる語だという。
3月〇日
【辞典P656】 蛇舅母(かなへび) 昔はよく見たが・・・
3月〇日
【辞典P655】 邪揄(やゆ) 揶揄に同じ
3月〇日
【辞典P655】 邪径(じゃけい) ①細く曲がりくねった道 ②邪
(よこしま)な心・行為
3月〇日
【辞典P655】 鷓鴣(しゃこ) キジ科の一
3月〇日
【辞典P655】 瀉腹(くだりばら) タマラン下痢
「そそ(ぐ)」「は(く)」の訓あり。
くっそ~、「しゃ」まできたので、ちょっとふんばってみたんだが、
終わらんか「し」、今月中に。ペースを戻すか。
3月〇日
【辞典P654】 藉口(しゃこう) 何かに藉(かこつ)けて言い訳
すること
【辞典P654】 藉藉(せきせき) ①喧しいさま ②物事が散乱
しているさま
「むしろ」「し(く)」「ふ(む)」「よ(る)」「か(す)」「か(りる)」、い
ろいろある。
3月〇日
雪解けは近いですか、たくちゃん様。
はく息しろく 赤い頬
かける子どものせなかに
春のたよりがやってくる
かあちゃんに頼まれて
まちまで
おつかいにいく
【辞典P654】 赭顔(しゃがん) 赭(あか)ら顔
【辞典P654】 赭山(しゃざん) 赭(はげやま)
【辞典P654】 赭土(そおに・そほに・そぼに) 赭(あかつち)
3月〇日
【辞典P654】 遮莫(さもあらばあれ) それはそれでしょうが
ね~よもうどうにでもなれや~、という開き直ったこころの状態
案外うまくいくこともある。
3月〇日
【辞典P654】 蔗境(しゃきょう) 根元に近づけば近づくほど
蔗(うま)くなる蔗(さとうきび)の如く、話がだんだん蔗(おもしろ)
くなるところ
3月〇日
【辞典P653】 奢侈淫佚(しゃしいんいつ) 贅沢の限りを尽く
し淫らな快楽に耽ること
「奢侈文弱」というのもある。
3月〇日
【辞典P652】 斜交(はすか)い ①斜め ②斜めに交わること
3月〇日
【辞典P651】 射翳(まぶし) ①狩猟用の装着具 ②待ち伏
せすること ③伏兵
石川ひとみちゃんなら何度でもOK。
3月〇日
【辞典P651】 射干玉(ぬばたま) 射干(ひおうぎ)の種子
黒色なので「夜・髪」などの枕詞になっとる。
3月〇日
【辞典P651】 射石飲羽(せきせきいんう) 一念、岩をも通す
「せきせき」、とにかく「せきせき」に注。
このブログを立ち上げたのは1級合格の後のことだ。
結果を出したからこそ言えることもある、と考えたからだ。頑張
りましたダメでした次は頑張ります、という言葉の繰り返しから得
るものはあるだろうか。また、ぎりぎりでしたがなんとか記録更新
です、という報告のみの内容から鼓舞されることはあるだろうか。
大いなる志を掲げながら中断を余儀なくされたものもある。公開
する以上、最初から最後まで責任をもって書くべきだとも思った。
私が敬意を持って拝読するブログは、常に前を向いている。
結果が出ない時でも、そこから目を逸らしてはいない。何が足
りなかったのか、では今から何をしていけばいいのか、具体的に
きちりと示してくれる。
明日から頑張ります、という人からの朗報を私は聞いた事がな
い。
2013年03月31日 ボクちゃん コメント(2) トラックバック(0)